耳の病気について
耳の病気では下記症状がでる場合があります。
- 耳が聞こえない
- 耳が詰まった感じがする
- 耳鳴りがする
- めまいがする
- ふらふらする
- 耳が痛い
- 耳だれがある
- 耳がくさい
- 耳が腫れている
- 耳に違和感がある
- 耳がごそごそする
- 綿棒が入らない
- 顔が動かない
私は大学病院で小児から高齢者までの幅広い年齢を対象に、耳の検査や処置、手術(鼓膜穿孔閉鎖術、鼓室形成術、人工内耳埋め込み術など)を数多くおこなってきました。耳はとても繊細な場所であり、診療には患者様との信用関係が最も重要であると考えています。丁寧にわかりやすく病状をご説明させて頂き、しっかりと診断・適切な治療をいたします。
外耳の病気
耳垢塞栓(みみあか)
今までも患者様に「みみあかで耳鼻科を受診していいの?」という質問をよく受けていました。みみあかも沢山詰まってしまうと炎症を起こしたり、聞こえが悪くなったりするので侮れません。少しでも心配ならご相談下さい。
外耳道炎
耳かきで外耳道を傷つけて炎症を起こす方が多いです。ばい菌(細菌)が原因の事が多いですが、カビ(真菌)が原因のことも多々ありしっかり診断して治療が必要です。
外耳道異物
お子様はしばしば耳の中にビーズなどの異物を入れてしまうことがあります。また夏には虫が耳に入ってしまう方もいます。それぞれの原因に応じて適切に対応させて頂きます。
外耳道狭窄
様々な原因で外耳道が狭くなる可能性があります。しっかり診察して治療方針を検討します。
外耳道癌・外耳道腫瘍
まれですが外耳道に癌が発生することがあります。自覚症状として、聞こえにくさ、出血、痛み、耳だれなどがあります。癌を疑う所見があれば治療可能な病院へ紹介します。
中耳の病気
急性中耳炎
中耳が感染して耳が痛くなる病気です。お子様が多いですが、大人もなります。抗菌薬や処置で治療を行います。しっかりと診断をつける事が大切ですので、耳鼻咽喉科での治療をお勧めします。また蓄膿症や風邪を合併している事があるため鼻や咽頭の治療も同時に行います。
滲出性中耳炎
中耳に液体がたまる病気です。急性中耳炎の後に起きたり、黄色い鼻水が鼻側から侵入して起きたりします。まずはお薬や処置で治療します。改善しない場合は鼓膜切開や鼓膜チューブを留置する事もあります。
当院では鼓膜切開や鼓膜チューブ留置術を行っていますのでご相談下さい。
慢性中耳炎
急性中耳炎や滲出性中耳炎を繰り返したことで鼓膜に穴があいてしまい、聞こえにくかったり、耳漏が出たりする状態です。定期的に確認したり処置を行う必要があります。手術で鼓膜の閉鎖を行うこともあります。
当院でも鼓膜穿孔閉鎖術を行っていますのでご相談下さい。
真珠腫性中耳炎
鼓膜が強く凹んでしまい、中耳に炎症を引き起こす状態です。放置すると難聴、めまい、顔面神経麻痺、髄膜炎などを引き起こす場合があり、手術の適応になることがあります。
正確な診断が重要です。
外傷性鼓膜穿孔
綿棒などで鼓膜が破れてしまうことが多いです。鼓膜の奥の中耳や内耳へも影響する事があります。適切な診断と治療が必要です。
耳硬化症
アブミ骨(耳小骨)が硬くなる病気です。難聴が徐々に進行します。難聴で受診し見つかることが多いです。手術で改善する可能性があるため適切な診断が必要です。
耳小骨離断
耳小骨は本来連結していますが、それが離れてしまっている状態です。様々な原因がありますが、手術で改善する可能性があるため適切な診断が必要です。
耳管機能障害
耳と鼻をつなぐ管(耳管)が上手く機能しない状態です。難聴や耳の詰まり感(耳閉感)をきたすことがあります。処置で症状が改善する可能性があります。
内耳の病気
突発性難聴
原因不明の内耳の病気です。突然の難聴として発症します。めまいを伴う場合があります。ステロイド加療などを行う事が多いです。なるべく早く耳鼻咽喉科を受診する必要があります。
加齢性難聴
加齢で発症する難聴です。補聴器が有効な場合はあります。耳鼻咽喉科でしっかりと聴力検査を行い評価する必要があります。
補聴器は当院でも導入可能です。個々に適した補聴器をご提案致します。
メニエール病
内耳が浮腫んで起こる病気です。ストレスと関連があると言われています。めまいと難聴を繰り返す病気です。診断には聴力検査が必要です。定期的に耳鼻科を受診し状態を把握、生活指導と必要に応じて投薬治療をおこないます。
外リンパ瘻
内耳の穴が開くことで生じる病気です。何らかの外傷(くしゃみなど)を契機に発症します。難聴やめまいの症状がでます。まずは耳鼻咽喉科で診察する必要があります。
聴神経腫瘍
前庭神経や蝸牛神経に腫瘍ができている病気です。初期の症状としては聴力低下、耳鳴りが多いです。
突発性難聴を疑われた患者さんの一部に聴神経腫瘍の患者さんがいます。
頭部MRIで診断されることが多いです。突発性難聴の患者さんは頭部MRIを行う事を勧めています。